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旅行記
*木村さん一家の宮古島旅行記 1999 3-30-4.7

3月31日、午前10時出航。快晴。荷造りだけで 汗だくになってしまった。
風は予報どおり東から吹いている。 浜を一瞥して沖に向かって漕ぎ出した。 パイナガマの白いビーチを出るとすぐに大きな防波 堤が続く。まだ地形図には描かれていない新しいもの だ。

そして、その内側では重機やトラックが土煙を上 げて走り回っている。 何が出来るのだろうか。どんな理由があるにしても 海を汚していることには違いない。 やっと防波堤が終わり、アダンの海岸線が続く。そ の潮の退いた磯で、腰を屈めているおばぁが数人見え る。

おばぁたちは岩に張り付いたアーサーを採っていた。 味噌汁に入れたり天ぷらにするのだ。

右前方にそこだけ白く光るバラス島が見えてきた。 環礁に砂や珊瑚の欠片の堆積した小さな島。一度上陸 したいと思っている。

与那覇湾の口まで来た。湾が深く岸から離れるので、 風が左手から強く吹き付けてくる。 すぐ前をサーベルのように尖った魚、ダツがミサイ ルのように飛んで行った。 パナリが二つ並んでいる。 上陸しようかと近づいていくと舟が腹を擦った。底 は砂なので舟を傷つけることはないが、しかしこれか ら干潮、まして今日は大潮、潮が退きってしまったら 舟を出すのに苦労させられる。

パナリ上陸は諦めて一 度沖に舟を廻す。 海の色が変わり濃い蒼の舟道があった。 ここなら安心だ。 舟道に沿って南下する。所々にそれを示す赤いポス トが立っている。 正面に来間島が近づいてきた。島を繋ぐ来間大橋も 見える。

左は与那覇前浜のビーチが長く延びて、そこ に東急リゾートの白いホテルが松林から頭を出して建っ ている。 強い向かい風になった。橋の向こうの海がリーフの 縁らしく、そこが衝立のように高く波立っている。 今日はここまでかな。

来間島に渡ることにした。島までわずか2kmしか離 れてないが進むに連れて波が高くなってきた。風も遮 るものが無いので強くなる一方だ。 やめときゃよかったと前浜を振り返ると、どう見て も来間島のほうが近い。 今日は前浜までは戻れないだろうなと観念して、再 び舟を島に向けた。


モズク漁の船 港の隅の砂浜に上陸すると、そこでもおねーさんが アーサーを採っていた。 彼女は東京から嫁いできたという。俺にも何か採れ ないかと訊くと、ホラ!と言って、打ち寄せている海 草を摘み上げた。モズクだった。近くで養殖していて 収穫の時に千切れたものが流れ着くらしい。さらに砂 浜を掘ると真っ白いアサリより小さな貝が出てくる。 イソハマグリといい、砂抜きする必要もなく美味しい と教えてくれた。


早速その二つを取り始めると、すぐにドンブリ一杯 ほどになった。 このままここでキャンプするのも悪くはないな。  来間の部落は1km程歩いた高台にあった。坂道を登っ ていくと、ハイビスカスが真っ赤に咲き、蝶が飛んで いた。


まずはビールだ。玉城商店に行くと、店先でおばぁ が二人で話をしていた。店先の椅子に座ってオリオン ビールを飲みながら聞いていたが、何を言っているの か全く解らない。

店のおばぁが通訳をしてくれた。 浜で採ったモズクの食べ方を聞くと、売り物の酢の 栓を開けてオロナミンの空き瓶に分けてくれた。そし て醤油はあるんだねと言いながら、これもと入れろと 「だしの素」を一袋差し出した。 港は正面から風を受けるので船の陰にテントを張り、 モズクとイソハマグリをつまみにして泡盛を飲む。来 間大橋の上には満月が明るく輝いていた。 そういえばあの時も満月だった。 三ヶ月前の小笠原の夜を思い出した。 

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