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大 和 井(ヤマトガー)
宮古島市平良字西仲宗根387 (小字・土川)(ンタガー)

宮古島市平良字西仲宗根小字土川(ンタガー)にある降り井(うりが−)。大和井(ヤマトガー)の名称の由来はさだかでない。
伝承によれば在番役人や頭など、ごく・一部の役人が使用し、庶民には開放されなかったという。湧水の入口部には門扉を用いたとみられるかんぬきの跡があり、役人の管理下にあったことがうかがわれる。
一部役人の専用井戸として管理されていたということは、この一帯における名泉だということである。

 上水道が普及するまで、この大和井の水は良質の飲料水として広く利用され、水を汲む人々の姿は絶えることがなかった。
 石灰岩の発達している宮古には、各地に洞穴泉がみられるが、その多くは人工の石段をつけた程度のものであるのにくらべ、この大和井は、全体に入念な石工技術が施されている。

湧泉口の基底部は平らで、円形状の内璧は周囲約20メートル、石積みの璧の高さは高いところで約4メートルある。奥行き1.4メートル、幅約3.8メートルの水取口の上部はゆるやかな美しい局面をなし、左右の袖口の部分にも意匠がこらされている。

個々の切石はそれほど大きくはなく、基底部から上にいくにつれて、次第に小さくなり、全体として安定感のある積みかたである。石積みの手法は、それぞれの石を自然な形のまま互いにかみ合うように削り合わせて積む方法で「あいかた積み(亀甲乱れ積みともいう)」である。
 掘年ははっきりしないが、1720年頃と推定されている 付近にはプトゥルガー、パウ井、さらに県道をこえて反対側に、牛馬の飲村、洗
濯、イモ洗いなどの雑用水として使用したウプカーがある。

1974(昭和49)年6月、平良市指定史跡。
1992(平成4)年12月18日、国指定史跡