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2001年宮古島地方の気象
1・台風1号〜日本初の台風一号接近 5月11日9時南シナ海で発生した台風1号は北東に進み、5月13日
明け方に宮古島をかすめて更に沖縄本島の西を北上した。
この台風は暴風域をもたないまま宮古島南およそ30キロmを通過し、平良市で最大瞬間風速36.1m/Sをまた雨量は城辺で216mmを観測した。
5月としては風も強く雨量も多かったため葉煙草の葉が落ち、池間島では養殖
モズクが壊滅的な打撃をうけた他、ハウスの野菜等に大きな被害が出た。
一般的に台風は1月〜3月の期間に1号が発生し、沖縄地方に接近するのは早くても6月頃のことが多く、これまで台風1号は沖縄地方に接近したことはない。もちろん日本にも接近したこともなく、台風一号が接近したのは日本では初めてのことであった。
台風21号〜10月の最大瞬間風速を更新 10月13日3時フィッリッピン東海上で発生した台風21号は、16日8時には多良間島の南西30キロまで接近し、その後は北東に向きを変え沖縄本島の西海上を通過した。
この台風は大型で強かった上に先島付近で向きを変えたため速度が遅く、宮古島地方は二日間も暴風にさらされることになった。
この台風により観測された最大瞬間風速は52・0m/sは、これまでの10月の記録を更新し観測史上一位となった(宮古島地方には、過去に宮古島台風のサラ・コラ・デラ台風が接近し最大瞬間風速60m/s以上を記録しているが接近したのはすべて9月である)
台風による雨量は平良市で225/5mm、多良間で234mmの降雨量を記録するなど各地で大雨となり風速も強かったため暴風・大雨被害があり、また宮古島全域で1万4千世帯でが停電したほかサトウキビなどの農作物などに大きな被害があった。

2001年は暖冬、猛暑
年間の平均気温は23・8度で平年値(23.3度)より0.5度高く、過去64年間で3番目の高温となった。年平均気温の高いのは一位が1998年の24.8度、。二位が1999年23.9度、四位が2000年の23.7度で近年の高温傾向が続いている。
0.5〜1.0度の気温の変化はあまり変化がないようだが、年平均気温では大きな変化である。(たとえば1963年は宮古島では2月に最低気温は7.5度で霜が観測されるなど寒かった冬だが年平均気温は22・5度で年平年値とは0.8度の違いしかない)

気温を月別にみると、、2月の暖冬、6、7、8月の猛暑が特徴だった。1、2月の月平均気温は、平年より1月が1・1度、2月が1・5度高い月となったため、2000年12月〜2001年2月かけての冬の気温としては19・8度で過去最高の暖冬となった。また、6、7、8月の月平均気温は、平年より6月は0・8度、7月は0・6度、8月は0・9度高い月が続き、とくに日最高気温が30度を越える真夏日が6月17日から9月5日までの連続81日間におよぶなど暑い夏となった。
 また、日最低気温が25度をこえる熱帯夜は107日間となり平年よりおよそ20日も多く暑い夜が続いた。
多かった降水量〜特に5月・9月は記録的な多雨、11月は記録的な小雨
年間の降水量は2399.5mmで平年の降水量2019.3mmより2割多く雨が降った。
特に5月は台風1号、9月は台風16号と台風19号の影響で平年の2倍を越える多雨となった。月降水量としても、5月の529.0mmは月降水量の二位を記録した。
平年より雨が少なかったのは6月、7月でこの月は太平洋高気圧に覆われ猛暑だったため、雨量は平年より少なくなった。
また、11月の降水量は40.0mmは記録的な小雨で平年の三割しか降らず、これまでの月降水量の少ない記録(1992年の44.0mm)を更新した。

8月の異常潮位〜漁港の桟橋一部冠水
沖縄本島では7月20日前後と8月20日前後に潮位偏差(月と太陽の運行から推算される通常の潮位と実際の潮位の差)が高くなり、満潮時には那覇市内遊歩道路での冠水や北部の住宅での浸水等の被害があった。
 このような潮位偏差は、台風などで起こる高潮や地震で引き起こされる津波とは異なり、
多くの場合原因を特定することが困難であり″異常潮位″と呼ばれている。宮古島地方で
も8月20日前後に漁港の桟橋が一部冠水するなど海水面が高くなる現象があった。
 このため8月20日に「異常潮位に関する情報第1号」を発表した。

幸いなことに被害はなく、22日以後は通常の潮位となった。高い潮位により被害の恐れがある場合には、高潮注意報や警報を発表するが、今回は住民への注意を喚起したもので
あり、「異常潮位に関する情報。」を発表したのは宮古島地方気象台として初めてであった。
地震・津波 2月18日13時2分頃に与那国島近海で発生した地震で、宮古島・八重山地方に津波注意報を発表した。
 津波に関する注警報は1998年の5月4日以来のことであったが、幸い宮古島地方では津波は観測されなかった。
 また、海岸に津波見物にでることもなかった。宮古島地方気象台で観測された地震は有感地震が14回でそのうち震度3が2月8日、8月18日、11月24日の3回であった。
地震にいおる被害が出るといわれている震度4以上は1997年以来きていないが、地震や津波に対する備えは必要である。