★9月の行事

【来間島】旧暦八月の甲午の日に伝わる「ヤーマス御願」

旧暦八月の甲午の日に伝わる「ヤーマス御願」は、島を興した三兄弟の末えいスムリヤー、ウプヤー、ヤーマスヤーの三家に一族が集まり、サラピアス(願詞)を唱えながら神酒を酌み交わし、子孫繁栄を願う祭事。

 昨年の御願からことしの祭りまでに生まれた子供を祝福する「マスモリ」もあり、三家から列をつくった集団が踊りながら雨乞座に集まり、酒宴を開いて祭りを締めくくる。

 ヤーマス御願は、牛のような怪物を退治して島を再興した三兄弟の島建てに由来する伝統行事で下地町の無形民俗文化財。島出身者が各地から里帰りするのが習わしで、島の人口が膨れ上がり華やぐ。ことしは例年より帰省者は少なかったが、それでも約百人が島に戻り、祈願祭を盛り上げた。

★豊年祈願祭「ミャークヅツ」
旧暦八月以降の最初の甲午(きのえうま)の日から三日間行われる豊年祈願祭「ミャークヅツ」。「楽しい月」という意味の方言で、平良市池間島を中心に、同島から分村した平良市西原、伊良部町佐良浜でにぎやかに行る。
男性を中心にした祭事で、各ムトゥを中心に泡盛に練乳を入れた「ミルク酒」を酌み交わし、ツカサンマたちの先導でクイチャーを踊り、昨年のミャークヅツ以降生まれた島の子孫たちの名を報告する「ヤラビマス」を行い、集落の繁栄を祈願し祝う。

池間島の民族行事
旧暦の8月〜9月の甲午(きのえうま)の日から3日間にわたって四カ所のムトゥと呼ばれるところ。(マジャ、アギマス、マイヌヤー、マイザトゥ.真謝、上げ升、前の家、前里)を中心に行われる池間島の民族行事。
数え年で五十五歳以上の男たちが早朝から集まり、酒を酌み交わし談笑する。

 夕方、池間公民館前の水浜広場に四つのムトゥから男たちが集い。ツカサンマ(司母)の先導で力強くクイチャーを踊り、豊年を祈願する。ミルク酒で赤ら顔の男たちが集まると、ツカサンマらは円陣をつくり神歌の後、クイチャーを踊る。そのあと男たちも加わり「ヒヤサッサ」の掛け声も勇壮に、全身を大きく揺らしながら大地を力強く踏みしめる池間島独特のクイチャーを舞う。

 二日目の十五日は、前年のミャークヅツ以降生まれた子供の名を登録する「ヤラビマス」が各ムトゥである。新生児の誕生を報告し、祝福する。


★西原のミャークヅツは、三日間あり、仲間御嶽でマスムイを行い、西原だけでなく宮古在住、沖縄本島、本土在住の新生児の誕生を報告する。
 五十歳以上の男たちによる御嶽からザーと呼ばれる広場までの行列を行う。ザーでは、昨年五十歳を迎えた男たちの奉納角力があり、集まった女性たちからも盛んな声援が飛ぶ。


★上区獅子舞や砂川クイチャーを奉納/城辺町下北集落と砂川集落、福里集落
城辺:下北集落と、砂川集落の豊年祭。下北では百年余の伝統があり、町の無形民俗文化財の「上区獅子舞」、砂川ではおよそ二百年といわれる伝統の獅子舞や「砂川(うるか)クイチャー」がそれぞれの神社に奉納され、その後住民らに披露され、五穀豊穣を祈願する。
友利の獅子舞と友利のクイチャー

旧暦八月十三日(十三夜)の三日、城辺・友利で、伝統の豊年祭がある。町無形民俗文化財の友利の獅子舞と友利のクイチャーで豊年を祈願する。
 友利郷土芸能保存会が勇壮な獅子舞を披露。女性たちが軽快な民謡に合わせクイチャーを奉納し、集落の繁栄を祈る。友利の獅子舞、クイチャーは二百年を超える伝統があるといわれる。


★福里の豊年祭
 福里ではマストリャーを復活。住民たちが県道390号沿いの福里村番所(ブンミャー)跡で集落に伝わる独特クイチャーを踊った。途絶えていた豊年祭を次世代に伝えたい、と三、四十代の住民が中心になって取り組んだ。



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